
キット概要
キット名:けもプラ No.KP-02R ニホンオオカミ
価格:¥6,380
青島文化教材社が送り出す期待の新星、これは美プラ? ノー! けもプラ!
スケモ、ガンプラ、美プラに次ぐ新ジャンル、けもプラ。
動物を擬人化する文化でも特に「けもの」についてはいくつか流派、ジャンル分けが存在しているのは周知のとおりだ。
最近ではケモ度やレベルで定量的な評価がなされる様になってきている。
そのうち、けもプラはケモ度において3~4程度の姿を再現している形だ。要するに人間~獣の丁度中間ぐらい。ある程度人間らしいシルエットだが、人肌スキンは持たない塩梅。美少女プラモの文脈から見ると性癖が過ぎる。
が、ディズニー系キャラクターの文脈から見ればいたって健全な擬人化といえる。子供に買い与えても安心?
とはいえ、対象年齢については15歳以上のレーティングとなっている。
が、それはあくまで安全上の理由になりそう。髪の毛パーツ等はエッジがかなり鋭い。怪我には注意だ。
ガンプラはHGなどは対象年齢が8歳以上だが、アンテナのようなエッジは特徴的な処理がなされており安全化されている。
対象年齢15歳以上。ゲームにおけるCEROレーティングでは”C”相当だがそれは表現上の理由で付けられる。
プラモにおいては表現上の理由ではない。たぶん。嘘つけ
組み立て
今回は特に工夫せず素直にパチ組を基本として作る方向性でいく。初見の蕎麦屋はざる蕎麦を食べるようなアレ。
塗装のイメージもイマイチ沸かなかったのもあるが、コンセプトとキットの色分割もシンプル。完成見本にむけて塗り分けなければいけない気配もあまりない。あえて言えば髪の毛は塗り分けると良いアクセントになりそう。


特徴的な可動眼球はその名の通り、目が別の部品に分かれていて、好きな方向にぐりぐりと動かすことが出来る。
個人の経験でいえば大陸系(だいたい中国だと思う)の可動フィギュアで遭遇したことがある。考えによってはデカールで表情差分を作るより資源効率が良いかも?
ケモポイントとしてノーズの高さでケモ度を差別化したバリエーションが付いている。 個人的にはノーズ低めが(この場合は好きかも)


いわゆる美プラを組んだ事があればだいたい雰囲気はイメージできる部品構成となっている。
ケモ感のあるパーツ群はなかなか面白い。尻尾も良い感じに部品分けされていて、単調な印象にならないようになっているし、全体的な間接のハメ合わせも他社と比べて特段に窮屈ということも無く、ある程度は組み立てやすい。
腕や脚部の毛色の色分け部分だけやや隙間ができやすいハメ合わせ感で、必要なければピンをカットしてしまっても良さそうだった。

足パーツについては注意、というより落とし穴がある。
肉球はしっかり別パーツで色分けされており、ケモ感たっぷりの可愛さが表現されている一方、この肉球パーツは”黒色で形成されたランナーパーツ”ではなく”塗装済みパーツ”でもなく”黒に塗装されたランナーから切り離すパーツ”である点に注意が必要かも。
いつもの感覚で適当に切り離してゲート処理すると部分的に色がハゲてしまう。
とはいえこの程度は後から面相筆で塗ってしまえばOK。ついでに直立させると肉球も見えなくなってしまう水性塗料でもなんでも塗ってしまおう。

さっくりと素組完成。一応難しいが直立も可能な重心バランスがある。耳毛の表現がふわふわで可愛い。
髪の毛の先端は結構エッジが鋭ので注意したほうが良さそう。反面、足や手の爪は見た目のシャープさの割に柔らかめの素材もあって手にかかっても痛くない。髪の毛だけは注意したほうが良い。


そのままでも十分な見た目のクオリティがありそうな物の、一旦分解と軽く合わせ目をある程度処理してヤスリ掛け、超音波洗浄。
マットな質感にしたほうが良さそうという判断で艶消しトップコートをふいて終了。
超音波洗浄機は洗剤一滴を入れるとヤスリのカスを取り除くのにとても便利で、素組の場合は洗浄して削りカスを流しておいた方が見た目としては良さそう。
ただ、塗るなら不要な処理だと思う。ガンプラ系では洗浄工程もまま一般的だが、AFV(戦車)や船、航空機といったジャンルではあまり聞かない


艶消しトップコートで素組のプラ質感がマットな質感に。柔らかそうでケモプラにはとても良い感じだと思う。
完成



キット最終評価
作りやすさ―4.5/5
非常に組みやすい。美プラになれていれば超かんたん。
部品点数も特段多い訳では無いし、毛色の色分けに合わせたパーツ分けが秀逸、合わせ目が気になりにくい。
ハメ合わせも一部を除いてタイトさはあまりない。優等生すぎるので敢えていう所が無いぐらいだ。
あえて注意点があるとすれば髪の毛が鋭いこと。これもプラモデルに付き物である注意書きを踏襲するという文脈にすぎない。
それと肉球パーツがランナーごと塗装を施したパーツであるからゲート処理に気をつけたほうがよい。
他サイト様の完成写真でも肉球に注目してみよう! ハゲてるかも。実際に見たことあります
形成色で使う色数を意図的に減らしているのかもしれない。バンダイのノリで言えば肉球パーツも黒で形成してしまって良い感じがする。
価格を抑える手腕だとしたらそれはそれで工夫が面白いと思う。
価格対評価―5/5
定価は6千円ちょっと。いわゆる美プラの価格としてみると昨今の状況では中価格帯といえそうだ。バンダイの30MSは例外として、他の企業(コトブキヤやグッドスマイルカンパニー)を鑑みればけして高額という印象にはならない。
家電系の店舗では5千円台で購入可能な場合もあるし、通販もふくめた実売価格では五千円台を割り込んでいる場合もある。
可動眼球やケモ度にあわせたパーツバリエーションの同梱を踏まえるとかなり良い。
あえていえば全塗装を考えるならデカールが欲しいカモしれない。
可動眼球もノーズの高い高ケモフェイスのみだから、中ケモと高ケモで1個づつで合った方が幅はありそう
造形評価―5/5
唯一無二。いちおうケモ系の中華フィギュアは存在しているっぽい。とはえいえケモノ感あふれる造形は他に無い。
肉球と耳毛が可愛い。ふーんFurryじゃん……
ケモ度にあわせた部品バリエーションも存在しているし、アフターパーツとして人パーツセットも存在しているから、ケモミミと尻尾があるレベルの低ケモ度にもくみ上げることが可能になっている。
人パーツセットは他の美プラの肌素体としても使えそうで、その場合は低価格な人素体キットになりそうな気配がある。
可動―4/5
ハメ合わせによってキツさを感じる場合もありそうながら、間接構造もしっかり獣感があって特徴的。
とくに後ろ足。ちゃんと犬の関節。あと首も意外と可動する。


股関節についてやや硬さがあるかもしれない。30MSと比べると特に股関節が少しだけ気になる。
上下方向にスライドする構造ではある一方、腿とつなげる軸については角度が固定されているから、負担がかかりやすいという点だけ。
ここは30MSのように可動したほうが負担が少なそうで、ガシガシ動かす場合を考えると破損のリスクが抑えられそう。
その他
はっきりって個人的にこの”けもプラ”シリーズという製品を発売したアオシマさんとこのキット自体について滅茶苦茶高く評価したいと思っている。ほんとうに商品の完成度とかプロダクトという点でも。
商品の開発と企画をへて発売にこぎつけた事が凄い。それもはっきり言ってしまえば”異色”のプラモデルだ。版権ではないし、どちらかといえば美プラでもない。美プラ戦国自体となった今だから美プラの文脈に乗せることが出来た感じはあるきはするので、そこは商売上手という感じがある。 アオシマさんは商売上手。
けもプラはどうやら”布服”との組み合わせも押していくように考えているらしい。
公式の通販では固有のキャラクターとしての商品もあって、固有のキャラクターだからこそ専用の衣装が付くという形。
布服とプラモデルがセットになった製品としてはグッドスマイルカンパニーに先行があるし、コトブキヤも公式に衣装販売やドール服との組み合わせを容易にする製品シリーズをつくっている。この点でも流れにうまく乗っている感じがある。
個人的に布服という点ではやはり可動眼球と同じく大陸系の可動フィギュアでそれを見ている。
製品とジャンルの発展の過程を今まさに見ている感じで非常に面白い。
美少女プラモは可動フィギュアの文脈を抱えている事、ケモぷら自体も美プラの文脈に乗ることになるであろうこと、三者三様に美プラ戦国時代を戦っていくことになるのだろう。今後がたのしみ。