PLAMAX Xi-Ⅲ Outfit set

概要
キット名:Xi-Ⅲ Outfit set
価格:10,800円
美プラにも参入していたフグッドスマイルカンパニーから発売。
キャラクターデザインはイラストレーターのneco氏、 布服が付属する”Outfit set”と付属しない素体版がある。
素体版は価格が4,800円とわりかし安価。
Outfit set版と素体版でパッケージデザインも違うが、素体版のパッケージはやや挑戦的。
価格差から言っても布服が本体と言えそうなキット。
フィギュアメーカーということもあって、プロポーション(キャラデザインの再現性)は良い様に感じる。
ちなみに、同イラストレーターのデザインがキット化された例としてはバンダイにおいてSYNDUALITY(アニメ)のキャラクターモデルがあるものの”カワイイさ”につながる重要な顔パーツについてはこちらの方が良く元デザインを再現していると思う。
自分の知っている範囲でいえば、布服とキットがセットになった製品リリースとしてはこのキットが先駆的……展開した時期が早く、最初なんじゃないかと思う。他にも存在しているかもしれないけれど。
布服のクオリティを含めて言えばリファレンスになりうる高品質キット。
今後は着るプラだとかバンダイも衣装販売をやろうとしているし、布服×プラモという製品が増えていくかもしれない。
組み立てと塗装


布服の無い素体版も存在するとはいえ、キットのランナー構成は同様。outfitセットはあくまで布服が付いてくるだけの違い。
ある理由で組み立ては素組で良いキット。気楽に作るという点では超簡単な美プラ入門キットともいえるし、プラモデルというよりは組み立て式の布服可動フィギュアと言い換えたほうが適当に感じる。
キット組み立て

当キット自体は布服を除けばシンプル。顔パーツは表情違いで二種類、印刷ナシパーツやデカールの類は無い。
このため肌部分を含める全塗装には向かないが、髪の印象作りや靴の色分けという点でワンポイント的に塗装を行う余地もあり、特にイラスト再現という点では靴の塗り分けはやっておいても良いように思う。


素体として作る場合、合わせ目消しには力を入れたほうが印象は良いだろう。
胴回りは部品形成時のラインやパーツ割が目立ちやすい。太ももや手足も形成時のラインが目立つのでヤスる余地がある。
とくに足まわりは布服を着せても露出する範囲なのでしっかりヤスリがけしたい。他社に比べると前後で部品を割ってないので合わせ目が発生しないのは楽。


靴は部品分けされているので、ちょちょっとマーカーででも塗ってしまえばイラストに対する再現度が上がるのでおススメ。
ちなみにファレホで適当な色を選んで筆塗している。隠ぺい力高いので部分塗装に結構おススメ。アクリジョンよりも隠蔽する印象がある。


素組で完成。靴部分は差し替え。つま先にはつま先で指のモールドと甲のぶぶんで可動が入っている。
横から見ると若干ストレートネック気味なのが個性的。前から見るとそんな感じは無いのだが。
布服―”テックウェア”スタイルの高品質な布服!


布服の質感は良好。 磁石によってスタンドへの固定やエンブレム部分が取り外しできる。
ファスナーやバックルは当然それぞれの機能を果たす。ファスナーとして使えるし、バックルとして機能する。画像で見る印象よりも実物はそれ以上に質感が良い。
デザインはテックウェア風……なんだかハイテクで機能的な雰囲気でベルトやバックルがあるロービジでなんかゴテっとしてる奴。
実際のテックウェアとしての本流は”ACRONYM”なんかのハイブランドが有名、この布服は本流より。
サバゲ―ウェア的な専門店の製品や中華系格安パンクファッションも一応テックウェアの文脈に乗っているが、ややビジュアルの派手さに寄った亜流におもう
本質的な意味としては、”最新の高機能素材を活用した機能的な高性能ウェア”だとか言われるもののデザインをもって定義しないのであれば空調服や透湿素材の登山着こそ本質的だと言えてしまう
なんだかベルトがいっぱいついてればテックウェア! という訳では無いのだ
布服を着せる事を前提とした場合、合わせ目も見えなくなる箇所が多いので素体を神経質に組み立てなくても良い。

特筆すべきは品質の高さ。裏側のミシン目や生地の状態も良好。糸の処理縫製精度がかなり高いとわかる。
同等スケールのキットに着せることも可能だろうと思うと同時、布服単体での販売をやってくれ! とも言いたくなる。
布服を考慮するとキットの量産性は高く無い可能性を感じるものの、レアキットという市況ではないので気が向いたらそのうち、という速度感でもまだまだ入手しやすそう。
素体版に対して布服が付属しているだけの価格差もこの品質なら納得できる。
以前の記事:【中華の布服フィギュア! 黒鉄休止符を買え!】
販売価格五千円~6千円前後の中華系のドールも布服の可動フィギュアと言えるが、糸の処理や裏から見た縫製正道はこれに比べると品質上で大きな差を感じる。黒鉄休止符シリーズの方が精度や品質で一歩遅れを取っている。

首元に合わせ目が出来安い。布服で隠れる位置にはあるが、合わせ目消しをやって目立たなくするのも悪くないと思う。
上着とエプロン風の肌着のうち肌着だけ着せるなら消しておく方が多少気持ちいい。
完成写真

素体。薄着にもほどがある。




実はもう一つ服無しの中古キットも買っていた。素体版と同じぐらいの価格で取得。こちらには他メーカーの布服やパーツを組み合わせてみている。
素体版は他メーカの布服を着せる素体としての余地が存在しているが、デザインや体系の関係で適合性については何とも言えない。このキットは等身が高めな印象もあるので。
このシスター衣装も結構キチキチ、着せるのが大変だった。そもそも他メーカーの布服は特定キットとの適合を保証しないし
だいたい1/12スケール向けの布服が良い? 1/10スケール向けの方がサイズ感に余裕がありそう。
キット評価

作りやすさ―4/5
キットとしては部品が少ないので完成までかかる時間が短い。 もともとデカールや無塗装フェイスが存在しない以上、塗装に拘る必要もなく割り切ってパチ組してしまえる気楽さも個人的には嬉しい。塗装の余地があると塗装したほうが良いのでは? なぜ塗装しないの? と自問と罪悪感を感じるので。一方で部分塗装でよりクオリティを上げる余地はあるし、パーツ単位での処理も完成度に帰する為力の入れどころもある。
ハメ合いがキツい場所も存在する点は注意。
価格対評価―3/5
outfit setをして言えばやや10,800円という値段はやっぱり美プラという観点では高価と印象付けられるかもしれない。
実売価格でみれば多少お手頃価格で購入できる余地もありそう。
価格の割合として布服に多くが割かれているだけあって服の印象は良く、ならばこそ布服単体でも欲しい!
素体版をしていうと平均的な価格帯に収まっていると言える。 もっとも、素体系美プラとして実売価格を見るとそれなり。
ただし、布服の品質が良い事を考えれば実売でポイントもつくならばoutfit版の方が購入バリューがあるかも? しれない。
造形評価―4/5
個人的にはデサインしたイラストレーターの画風やキャラデザイン自体が好きなので高評価。
やや等身が高めなので、結果として他の布服と適合しない可能性が無くも無い。むっちり体系を求めるなら他を当たれ!
関節についても正面からみたときに違和感が少ない印象になるような関節である点も好ましいと感じる。
可動―4/5

関節構造の為か意外と可動は良い。一方でハメ合いを調節しないとキツさを感じる箇所もいくつかあるので制作時にはジョイントの球や軸は多少削っている。
キツイ関節は放置するとぶっ壊れるので、このキットに限らずキツいと感じたら惜しまず手を入れた方が良い。
個人的にはとりあえずカンナ掛けやヤスリで削ってしまう。 ユルくなった場合は適当にパテでも盛ればよく、やらずに軸を折るよりは低リスクで可逆的な工作なので。
その他
偶には息抜きで素組で組もうか? と思った時にこのキットはちょうどよかった。
布服が付属しない中古キットも購入した結果実質的に素体版と布服版の二個買いみたいな状況になっていた。
片方は下着の色を塗ってみたり髪を塗装してみたりしているのだが、布服を着せると下着は見えなくなる。
無意味な努力!
Neco氏のキットは他にもPLAMAX系列で製品化されているのでそっちも作りたいかも。あと他にもホビーショーで製品化予定の子もあるらしいが、何時リリースされるのかわからない。なかなか楽しませてくれる。
布服キットの入門におススメ。
ドール趣味じゃないし、布服なんてプラモじゃないし……という御仁も良そうだけどプラモを買えばタダで高品質な布服がオマケされてたから仕方なく着せたんだ、と言い訳できます。